マンデリンとは|インドネシアの豆と、名前の決まり

「マンデリン」の文字とコーヒー豆の図案のタイトル画像

結論マンデリンは、日本の業界の規約では、インドネシアの北スマトラ州とアチェ州で育ったアラビカ種の豆のことです(タケンゴン周辺のガヨマウンテンの産地を除く)。インドネシアの豆すべてを指す名前ではありません。袋で「マンデリン・ブレンド」と書けるのは、マンデリンを 30% 以上使った物です。中身は、表の名前と、裏の原材料の欄に「インドネシア」があるかで確かめます。

この記事は、袋や店で「マンデリン」の名前を見て、どこの豆なのか、インドネシアの豆とどう違うのかを知りたい人に向けて書きました。書き手は、この記事のためにマンデリンを飲んでいません。名前と産地の話は、日本の業界の規約と、コーヒーの研究機関の資料から引いています。味の説明は、メーカーの言葉だけを紹介します。

ほかの産地との味の比べ方は「コーヒー豆の産地と味の違い」に、ブレンドそのものの意味は「ブレンドとストレートの違い」にあります。

目次

規約では、スマトラ島北部のアラビカ種

規約での「マンデリン」

規約での「マンデリン」国インドネシアの北スマトラ州とアチェ州種アラビカ種ロブスタ種は入らない除かれる産地タケンゴン周辺のガヨマウンテン

日本で売られる袋入りのコーヒー豆と粉には、業界の規約(全日本コーヒー公正取引協議会の公正競争規約)があります。規約の施行規則の別表 2 は、「マンデリン」を次のように決めています。

マンデリン : インドネシアの北スマトラ州及びアチェ州(タケンゴン周辺のガヨマウンテン生産地区を除く)にて生産されたアラビカコーヒー豆をいう。

ポイントは 3 つです。

  • 国はインドネシア。その中でも、スマトラ島の北スマトラ州とアチェ州
  • 種はアラビカ種。ロブスタ種(カネフォラ種)は入らない
  • タケンゴン周辺の「ガヨマウンテン」の産地は除く

アラビカ種とロブスタ種の違いは「アラビカ種とロブスタ種の違い」にあります。

UCC のコーヒー用語辞典は、マンデリンを「インドネシアのスマトラ島で生産されるアラビカ種のコーヒー」としています。島で言うか州で言うかの違いはありますが、アラビカ種の名前だという点は規約と同じです。

インドネシアの名前はほかにもある

規約の別表 2 は、インドネシアの名前をマンデリンのほかに 3 つ挙げています。

名前規約の範囲
マンデリン北スマトラ州とアチェ州(ガヨマウンテンの産地を除く)のアラビカ種
ガヨマウンテンスマトラ島タケンゴン地区のアラビカ種
トラジャスラウェシ島トラジャ地区のアラビカ種
カロシスラウェシ島カロシ地区のアラビカ種

同じスマトラ島の北の豆でも、タケンゴン地区の物は「ガヨマウンテン」という別の名前になります。規約は除く理由を書いていませんが、別の名前として決めてあるので、範囲が重ならないようにしていると読めます(規約からの編集部の読み)。

この別表は「区分及び範囲の例示」という題です。ここに挙がっていない名前もありえます。

インドネシアはロブスタ種が多い国

インドネシアのコーヒー(WCR)

インドネシアのコーヒー(WCR)生産の 80%ロブスタ種輸出は世界で 4 番目世界の輸出の 5%小さな農家が 99%1 ヘクタールより小さい畑が中心「インドネシア産」はマンデリンとは限らない

研究機関の World Coffee Research(WCR)によると、インドネシアはアラビカ種とロブスタ種の両方を作っていて、国の生産の 80% はロブスタ種です。

同じページには、次のことも書いてあります。

  • コーヒーの輸出は世界で 4 番目(国際コーヒー機関の 2022〜2024 年の平均)。世界の輸出の 5% を占める
  • 作っているのは 1 ヘクタールより小さい畑の農家が中心。小さな農家が作る割合は 99%
  • スマトラやガヨなどの名前は、地理的表示(産地の名前を守る仕組み)で守られている

キーコーヒーも、インドネシアはカネフォラ種(ロブスタ種)が代表的だとしたうえで、スマトラ島のマンデリンやスラウェシ島のトラジャなど、アラビカ種の産地でもあると書いています。

つまり「インドネシア産」の豆が、マンデリンとは限りません。ロブスタ種のこともあります。

日本に届くインドネシアの豆

全日本コーヒー協会の統計(財務省の貿易統計から作成)では、2025 年に日本がインドネシアから輸入した生豆は約 939 万 kg で、国別で 7 番目でした。この数字はインドネシアの豆全体で、ロブスタ種も含みます。マンデリンがそのうちどれだけかは、この統計からは分かりません。

味は、メーカーの説明だけ

UCC は、マンデリンを「しっかりとした苦味とコクがあり、酸味は控えめで、ボディの強さとハーブやシナモンのような上品な風味がある」と書いています。メーカーの説明で、書き手が飲んで確かめた感想ではありません。

苦味から豆を選ぶ話は「苦味が好きな人のコーヒー豆の選び方」に、酸味の少ない豆の話は「酸味が少ないコーヒー豆の選び方」にあります。

「マンデリン・ブレンド」は30%以上

袋の言葉と、分かること

袋の言葉と、分かること「マンデリン」マンデリンだけと読める書き方ほかの豆は使えない「マンデリン・ブレンド」マンデリンが 30% 以上残りの最大 70% は別の豆のこともある割合の数字書かなくてよい

規約の施行規則には、名前について 2 つの決まりがあります。

  • 「○○ブレンド」と書けるのは、その豆を 30% 以上使った物だけ
  • 特定の産地や銘柄の豆だけを使ったと書くなら、ほかの豆は使えない
袋の言葉規約の決まり分かること
「マンデリン」マンデリンだけと読める書き方なら、ほかの豆は使えない北スマトラ州・アチェ州のアラビカ種だけ
「マンデリン・ブレンド」マンデリンが 30% 以上残りの最大 70% は別の豆のこともある
割合の数字書かなくてよい数字がなければ「30% 以上」までしか分からない

(「マンデリン」だけの書き方の読みは、規約からの編集部の読み)

原材料の欄で国を確かめる

袋の裏の一括表示には、原材料名の欄に「生豆生産国名」が書いてあります。マンデリンの豆なら、ここに「インドネシア」と書いてあるはずです(規約からの編集部の読み)。

ただし、この欄は国の名前を書く所です。「インドネシア」と書いてあっても、マンデリンか、ほかの産地の豆か、ロブスタ種かは分かりません。名前は表の書き方で見ます。

ブレンドで 3 か国以上を使った袋では、重さの多い順に 2 か国以上を書き、残りは「その他」でよい決まりです。一括表示の見方は「コーヒー豆の買い方」にあります。

缶やペットボトルのコーヒー飲料は、別の規約の対象です。この記事の決まりは、袋入りの豆と粉、インスタントコーヒーの話です。

袋を確かめる順番

袋を確かめる順番

袋を確かめる順番1表の名前を見る2「インドネシア」だけで名前がない袋はマンデリンとは限らない3裏の原材料の欄で生豆生産国名を見る4ブレンドなら割合の数字を探す
  1. 表の名前を見る。「マンデリン」ならマンデリンだけ。「マンデリン・ブレンド」ならマンデリンは一部
  2. 「インドネシア」だけで「マンデリン」の名前がない袋は、マンデリンとは限らない
  3. 裏の原材料の欄で、生豆生産国名に「インドネシア」があるか、ほかの国が並んでいないかを見る
  4. ブレンドなら、割合の数字が書いてあるかを探す
  5. どの地区の豆か、ブレンドの割合を知りたいときは、売っている店や作った会社に聞く(編集部の提案)

次にやること

次にやること

次にやること1名前に「ブレンド」が付いているか見る2裏の原材料の欄に「インドネシア」だけがあるか確かめる

「マンデリン」と書いた袋を手に取ったら、名前に「ブレンド」が付いているかと、裏の原材料の欄に「インドネシア」だけが書いてあるかを確かめてください。

次に読む

出典・確認した資料

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この記事を書いた人

豆派です。家で豆からコーヒーを淹れている会社員で、先生でもバリスタでもありません。手順や数字はメーカーなどの公式資料で確かめてから書き、自分で試したことは「試した」と分けて書きます。

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