結論アラビカ種とロブスタ種(カネフォラ種)は、コーヒーの 2 大栽培種です。味の傾向・育つ場所・病気への強さ・使われ方が違います。どちらが上ということではなく、役割が違います。品種だけで味は決まらないので、袋では先に生産国名・焙煎度を見ます。
2 つの品種の違い
「ロブスタ」は通称で、正式名は「カネフォラ種ロブスタ」です(UCC)。ここでは、ロブスタ種と書きます。
| 項目 | アラビカ種 | ロブスタ種 |
|---|---|---|
| 味・香りの傾向 | 酸味があり、花のような甘い香り(AGF) | 苦味が強く、麦茶に似た香ばしさ(AGF)。酸味は控えめ(全日本コーヒー協会) |
| 育つ場所 | 標高 1,000〜2,000 m の熱帯高地(AGF) | 標高 300〜800 m の低めの土地でも育つ(AGF) |
| 病気・環境 | 霜・乾燥・病害虫に弱い(AGF)。さび病の被害が大きかった(キーコーヒー) | さび病に強く、高温多湿にも適応する(全日本コーヒー協会・キーコーヒー) |
| 使われ方 | ストレートでも世界中で飲まれる(UCC) | インスタントなどの加工用や、アラビカ種と混ぜるブレンドに使われる(UCC・全日本コーヒー協会) |
ロブスタ種について、UCC は「単品で飲むにはあまり向かない一方、ブレンドに使うとコクを出せる」としています。全日本コーヒー協会は、アラビカ種に比べて香りや風味が乏しいとされると書いています。「まずい」という意味ではなく、単品で味わう使い方より、ブレンドや加工で力を出す品種だということです(編集部の見方)。
育つ場所の高さが違う
AGF の説明から作った図。
生産の割合は資料で幅がある
| 資料 | アラビカ種 | ロブスタ種 |
|---|---|---|
| UCC(museum) | 約 6 割 | 記載なし |
| UCC(ロブスタの解説) | 記載なし | 4 割程度 |
| キーコーヒー(品種の解説) | 約 60%(2021 年時点) | 約 40%(2021 年時点) |
| キーコーヒー(産地の解説) | 記載なし | 2〜3 割程度 |
年や統計で数字が違います。大づかみには、アラビカ種が半分より多く、ロブスタ種がその残り、と捉えます(編集部の見方)。
カフェイン量
全日本コーヒー協会は、ロブスタ種(カネフォラ種)がアラビカ種のほぼ 2 倍のカフェインを含むと書いています。数値や測定条件は、そのコラムには書かれていません。
カップに入る量は品種だけでなく、粉の量・お湯の量・淹れ方でも変わります。食品安全委員会のファクトシートは粉 10 g を熱湯 150 ml で抽出したコーヒーを 60 mg/100 ml、インスタントコーヒー(顆粒)2 g を熱湯 140 ml で溶いたものを 57 mg/100 ml としています。この数字はその条件で示された値です。

品種だけで味は決まらない
味は品種だけで決まりません。キーコーヒーは気候・標高・精製方法(水洗式か非水洗式か)なども挙げています。UCC は焙煎度で変わると書いています。産地での違いは「コーヒー豆の産地と味の違い」、焙煎度での違いは「浅煎り・中煎り・深煎りの違い」にまとめました。
アラビカ種でも、産地や焙煎度で酸味の出方はさまざまです。ロブスタ種を使うかどうかは、味づくりの 1 つの選び方です。
買うときは
袋の表示の決まり(規約)は品種の書き方にも決まりを置いています。
- 特定の品種だけを使ったと書くなら、ほかの豆を使ってはいけない
- 「○○ブレンド」と書くなら、その品種や産地の豆を 30% 以上使っている
袋にアラビカ種と書いてあれば、手がかりになります。ただ、初心者はまず次の順で見れば十分です(編集部の提案)。
- 生産国名(産地)
- 焙煎度と焙煎日
- 豆か粉か、挽き方
袋の読み方は「コーヒー豆の買い方」にあります。
まとめ
- アラビカ種とロブスタ種は、味・育つ場所・使われ方が違う。上下ではなく役割の違い
- 割合やカフェイン量は、資料で幅や条件がある。数字は出どころと条件を見る
- 味は品種だけで決まらない。袋はまず生産国名と焙煎度から見る
次に読む
- 袋の読み方 →「コーヒー豆の買い方」
- 豆の選び方の全体 →「自分に合うコーヒー豆の選び方」
- 精製方法(ナチュラル・ウォッシュド・ハニー) →「コーヒー豆の精製方法」
- 苦味の強い豆を選ぶ →「苦味が好きな人のコーヒー豆の選び方」
- コーヒーの種類の全体 →「コーヒーの種類|豆の種類と飲み方の種類の見分け方」
出典・確認した資料
- AGF「コーヒー豆AtoZ コーヒーの品種と特徴」(味・標高・病気への強さ・約 6 割)https://agf.ajinomoto.co.jp/enjoy/cyclopedia/flow/atoz_04.html (2026-11-03 確認)
- UCC「207:アラビカ種とカネフォラ種」(アラビカ種約 6 割・ブレンド・インスタント)https://www.ucc.co.jp/museum/sp/jp/207.html ・「ロブスタとは」(4 割程度・単品に向かず、ブレンドでコク)https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/dictionary/robusta.html (2026-11-03 確認)
- キーコーヒー「コーヒーの品種とその特徴」(2021 年時点の割合・耐病性・さび病)https://www.keycoffee.co.jp/sustainable/starmaya_2.html ・「コーヒーの産地による違いはある?」(気候・標高・精製方法・カネフォラ 2〜3 割、2025-12-26 公開)https://www.keycoffee.co.jp/experience/knowledge/detail/coffee-production-area (2026-11-03 確認)
- 全日本コーヒー協会「アラビカ種が主流だった生産国ブラジルが、カネフォラ種に熱い視線を注ぐ理由」(ほぼ 2 倍のカフェイン・酸味控えめで苦みが強い・低地・さび病に強い。2025-08-05 公開)https://coffee.ajca.or.jp/column/6786/ (2026-11-03 確認)
- 食品安全委員会「食品中のカフェイン」ファクトシート(コーヒー 60 mg/100 ml・インスタント 57 mg/100 ml と抽出条件。最終更新 2018-02-23)https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf (2026-11-03 確認)
- 全日本コーヒー公正取引協議会「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」施行規則(産地・品種の表示基準・ブレンド 30%)https://www.jfftc.org/DATA/Kiyaku_pdf/b05_H_coffee.pdf (2026-11-03 確認)
