結論アメリカンコーヒーは、浅煎りの豆で淹れたコーヒーのことです(UCC・キーコーヒー)。ただ、濃く淹れたコーヒーをお湯で割って出す店も昔から少なくなく、決まった規格はありません(UCC)。家で作るなら、浅煎りの豆をいつもより多めのお湯で淹れるか、いつものコーヒーにお湯を足すかの 2 通りです(キーコーヒー)。
この記事は、「アメリカンはただ薄いだけのコーヒーなのか」を知りたい人に向けて書きました。書き手はこの記事のためにアメリカンを淹れておらず、飲み比べもしていません。説明と数字は、メーカーなどが公開している情報から引いています。
エスプレッソをお湯で割った「アメリカーノ」は別の飲み物です。違いはこの記事の後半と「エスプレッソとは」にあります。
資料によって説明が 2 通りある
アメリカンの説明は 2 つ
アメリカンの説明は、「浅煎りの豆で淹れる」と「お湯で割る」の 2 つに分かれます。資料ごとに並べると、次のとおりです。
| 資料 | アメリカンの説明 |
|---|---|
| UCC の用語の説明 | 浅炒りの豆で抽出したコーヒー |
| UCC の読み物(2022 年) | 一般的な定義は浅い焙煎の豆で淹れたコーヒー。ただし濃く淹れてお湯で割る店も少なくなかった。定義がはっきりしない以上、間違いとはいえないかもしれない |
| キーコーヒー(2025 年) | 浅煎りの豆で淹れたコーヒー。浅煎りの豆を多めのお湯で淹れた物や、淹れた後にお湯で薄めた物を指す場合もある |
| AGF の用語の説明 | 浅煎りは「アメリカンコーヒー向き」 |
| AGF の読み物(2026 年) | 中煎りのミディアムローストを「いわゆるアメリカンコーヒーのような印象」としている |
焙煎=生の豆を煎って茶色くすることです。焙煎の浅い・深いの違いは「浅煎り・中煎り・深煎りの違い」にあります。
まとめると、「浅煎りの豆で淹れる」が多くの資料の説明で、「お湯で割る」もよく見られる作り方です。AGF の読み物のように、中煎りの一部をアメリカンに近いとする資料もあります。店でアメリカンを頼んだとき、どちらの作り方かは店によって違います(編集部の読み)。
名前は日本で付いた呼び方
アメリカンコーヒーの名前
キーコーヒーによると、「アメリカンコーヒー」は日本独自の名前で、「アメリカン」も「アメリカンコーヒー」も、アメリカでは通じません。
名前の由来として、キーコーヒーは次のように説明しています。
- アメリカには、コーヒーを多めのお湯で淹れるか、濃いコーヒーにお湯を足す飲み方があった
- その飲み方が日本に広まり、「アメリカ式の飲み方」という意味で「アメリカンコーヒー」と呼ばれた
- 和製英語の「アメリカン」が「濃さが薄い」という意味に広がった、という説もある
UCC によると、アメリカでお茶の代わりに軽いブラックコーヒーとして飲まれていた物が日本に広まったのは、1970 年代です。その頃から喫茶店で「アメリカンコーヒー」として出されるようになりました。UCC は、アメリカのコーヒーがすべて軽いタイプだったわけではなく、南部では深煎りが主流だったとも書いています。
ふつうのドリップとの違いは焙煎とお湯の量
ふつうのドリップ と アメリカン
キーコーヒーは、ドリップで淹れるときの量を、ふつうのコーヒーとアメリカンで分けて示しています。
| 項目 | ふつうのドリップ | アメリカン |
|---|---|---|
| 豆の焙煎 | 決まっていない | ライトロースト・シナモンローストなどの浅煎りを一般に使う |
| 粉の量とできあがり | 粉 10 g で 120 ml | 粉 10 g で 150〜160 ml |
| 挽き目 | 淹れ方に合わせる | 中細挽きか中挽き。細かすぎる粉は向かない |
| お湯の温度 | いつもの温度 | いつもより高め |
(表はすべてキーコーヒー。「ふつうのドリップ」の焙煎と挽き目の欄は編集部の補足)
粉の量は同じで、お湯を多くします。キーコーヒーは、1 杯に使うお湯の量が通常の約 1.2〜1.4 倍になるとしています。
ふつうのドリップの手順は「ハンドドリップの淹れ方」にあります。挽き目の呼び方は「コーヒー用語集」でも引けます。
家で作るなら 2 通り
家で作る 2 つの方法
キーコーヒーは、家で作る方法を 2 つ紹介しています。
浅煎りの豆を、多めのお湯で淹れる
手順はふつうのドリップとほぼ同じで、変えるのは次の 3 つです(キーコーヒー)。
- お湯を多めに注ぐ。粉 10 g で、できあがり 150〜160 ml が目安
- 粉を細かくしすぎない(中細挽きか中挽き)
- お湯の温度をいつもより高くする
いつものコーヒーに、お湯を足す
- 好みの豆の粉 10 g で、120 ml のコーヒーをドリップしてカップに注ぐ
- そこへお湯を 40〜50 ml 足す
(どちらもキーコーヒー)
お湯で割る方法は、豆を選びません(キーコーヒー)。浅煎りの豆が手元になくても、いつもの豆で作れます。
最初の 1 杯は、足すお湯を 40 ml にして、薄く感じたら次から減らし、物足りなければ 50 ml まで増やす、という順で合わせる手もあります(編集部の提案。書き手はまだ試していません)。
アメリカーノは、エスプレッソをお湯で割る
アメリカン と アメリカーノ
名前が似ている「アメリカーノ」は、エスプレッソにお湯を加えた飲み物です(ネスレ・キーコーヒー)。
| 項目 | アメリカン | アメリカーノ |
|---|---|---|
| ベース | ドリップなどで淹れたコーヒー(キーコーヒー) | エスプレッソ(ネスレ・キーコーヒー) |
| 作り方 | 浅煎りの豆を多めのお湯で淹れる/淹れたコーヒーをお湯で割る(キーコーヒー) | エスプレッソにお湯を加える(ネスレ) |
| 割合 | 粉 10 g で 150〜160 ml/120 ml にお湯 40〜50 ml(キーコーヒー) | エスプレッソとお湯が 1:1 や 1:2 など、店や好みで違う(ネスレ) |
ネスレによると、アメリカーノは第二次世界大戦中、イタリアにいたアメリカの兵士が、エスプレッソをお湯で割って、ふだんのドリップに近づけたのが始まりです。キーコーヒーは、「アメリカ人はコーヒーを薄めて飲む」というところから、イタリアの人が名付けたと言われている、と書いています。
エスプレッソがどんなコーヒーかは「エスプレッソとは」にあります。家でエスプレッソを淹れるには、圧力をかける機械が要ります。
うまくいかないとき
こんなときは
薄すぎて、水っぽい
- よくある原因
- お湯が多すぎる。お湯で割る方法なら、足すお湯が多い
- 直し方
- キーコーヒーの目安(粉 10 g で 150〜160 ml、または 120 ml にお湯 40〜50 ml)に戻す。それでも薄ければ、お湯を少し減らす(編集部の提案)
お湯がドリッパーにたまって落ちにくい
- よくある原因
- 粉が細かすぎる(キーコーヒー)
- 直し方
- ミルの目盛りを 1 つ粗くする。粗くしたら、お湯が粉全体にしみこむように丁寧に注ぐ(キーコーヒー)
アメリカンでなく、ふつうに淹れたコーヒーが薄いときの直し方は「酸っぱい・苦い・薄いときの直し方」にまとめています。
次にやること
次にやること
いつもの豆でコーヒーを 120 ml 淹れ、お湯を 40〜50 ml 足して、アメリカンを 1 杯作ります。浅煎りの豆を買わなくても、今ある豆で作れます。
次に読む
- 浅煎りの豆を選ぶ →「浅煎り・中煎り・深煎りの違い」
- アメリカーノのもとを知る →「エスプレッソとは」
出典・確認した資料
- UCC「アメリカンコーヒーとは」(浅炒りの豆で抽出したコーヒー)https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/dictionary/american_coffee.html (2026-11-04 確認)
- UCC「コーヒーメニューにはどんな種類がある?」(一般的な定義・お湯で割る店・1970 年代・南部は深煎り。2022-06-18 公開)https://mystyle.ucc.co.jp/magazine/a_146/ (2026-11-04 確認)
- キーコーヒー「アメリカンコーヒーとは?おいしい作り方・おすすめのコーヒー豆を解説」(定義・由来・焙煎度・粉とお湯の量・2 つの作り方・アメリカーノ。2025-02-17 公開)https://www.keycoffee.co.jp/experience/knowledge/detail/american-coffee/ (2026-11-04 確認)
- 味の素AGF「コーヒーができるまで」(浅煎りはアメリカンコーヒー向き)https://agf.ajinomoto.co.jp/enjoy/cyclopedia/flow/atoz_06.html (2026-11-04 確認)
- 味の素AGF「コーヒーの品種・焙煎・ブレンドの違いを徹底解説」(ミディアムローストはアメリカンのような印象。2026-05-20)https://agf.ajinomoto.co.jp/article/coffee/cyclopedia/5908/ (2026-11-04 確認)
- ネスレ日本「アメリカーノとは?特徴や起源を紹介」(エスプレッソにお湯・1:1 や 1:2・第二次世界大戦中)https://nescafe.nestle.jp/coffee-culture/knowledge/what-is-americano (2026-11-04 確認)
