結論食品安全委員会のファクトシートでは、コーヒーのカフェインは 100 ml あたり 60 mg です。紅茶は 30 mg、せん茶は 20 mg とされています。ただし、粉や茶葉の量とお湯の量が飲み物ごとに違う条件の数字です。ここから「どちらが多い」とは決められません。1 杯分は、自分のカップの量(ml)を 100 で割って、100 ml あたりの数字にかけると目安が出ます。
この記事は、コーヒー 1 杯にカフェインがどれくらい入っているか、紅茶や緑茶と比べてどうかを知りたい人に向けて書きました。書き手は測っていません。数字はすべて公的機関の資料の引用で、体質や飲む量が合うかどうかの話は書けません。
公的資料の数字は 100 ml あたり
カフェイン(100 ml あたり・食品安全委員会)
食品安全委員会の「食品中のカフェイン」ファクトシート(最終更新 2018 年 2 月 23 日)に、飲み物ごとの表があります。
| 飲み物 | カフェイン(100 ml あたり) | 資料の浸出条件 |
|---|---|---|
| コーヒー | 60 mg | 粉 10 g・熱湯 150 ml |
| インスタントコーヒー(顆粒) | 57 mg | 2 g・熱湯 140 ml |
| 紅茶 | 30 mg | 茶 5 g・熱湯 360 ml・1.5〜4 分 |
| せん茶 | 20 mg | 茶 10 g・90 ℃の湯 430 ml・1 分 |
| ウーロン茶 | 20 mg | 茶 15 g・90 ℃の湯 650 ml・0.5 分 |
| 玉露 | 160 mg | 茶 10 g・60 ℃の湯 60 ml・2.5 分 |
| エナジードリンク・眠気覚まし用飲料 | 32〜300 mg | 製品で濃度も内容量も違う(1 本あたり 36〜150 mg) |
「粉 10 g・熱湯 150 ml」のコーヒーが、この記事でいう 1 杯分の基準の 1 つです。
数字を並べて決められない理由
表の条件は飲み物ごとに違う
表の条件は飲み物ごとに違います。コーヒーは粉 10 g を 150 ml で、せん茶は 10 g を 430 ml で、玉露は 10 g をわずか 60 ml で抽出した値です。同じ 10 g でもお湯の量が違えば、濃さの数字も変わります。
そのため、コーヒーの 60 mg と紅茶の 30 mg を見て「コーヒーは紅茶の 2 倍」と言い切ることはできません。実際に家で入れる濃さは粉や茶葉の量でも変わります。この記事は同じ表の数字を並べて見せるだけにして、優劣は決めません。
K-02 で書いたとおり、レギュラーとインスタントも、粉とお湯の量が違う条件の数字です。違いは「インスタントとレギュラーの違い」にあります。
1 杯に直す:カップの量で計算する
150 ml のカップなら(編集部の計算)
100 ml あたりの数字は、カップの量に合わせて直せます(編集部の計算)。
カップの量(ml)÷ 100 × 100 ml あたりの数字 = 1 杯のカフェインの目安
150 ml のカップなら、次のようになります。
| 飲み物 | 100 ml あたり | 150 ml のカップ |
|---|---|---|
| コーヒー | 60 mg | 約 90 mg |
| インスタントコーヒー | 57 mg | 約 86 mg |
| 紅茶 | 30 mg | 約 45 mg |
| せん茶・ウーロン茶 | 20 mg | 約 30 mg |
この計算は、資料の濃度が家で淹れた 1 杯の濃度と同じだと仮定した目安です。入れ方や、粉・茶葉の量で実際は変わります。マグカップで 250 ml 飲むなら、コーヒーは 60 × 2.5 で約 150 mg です。
エナジードリンクは、資料に 1 本あたり 36〜150 mg とあります。消費者庁のページには、缶や瓶 1 本でコーヒー 2〜3 杯分のカフェインを含むものもある、と書かれています。実際の量は製品の表示で確かめてください。
1 杯の粉の量は「コーヒー 1 杯に何グラム?」にあります。
量が変わる理由は、資料にどこまで書いてあるか
資料に書いてある 2 つ
カフェインの量を左右する要素は、資料に書かれている範囲で次の 2 つです。
| 要素 | 資料に書いてあること |
|---|---|
| 豆の種類 | 全日本コーヒー協会は、ロブスタ種(カネフォラ種)がアラビカ種のほぼ 2 倍のカフェインを含むと書いています。数値や測定条件は、そのコラムにはありません(「アラビカ種とロブスタ種の違い」) |
| 粉とお湯の量 | 食品安全委員会の表の数字は、粉の量とお湯の量を決めた条件での値 |
豆の焙煎度や挽き目、湯温、抽出時間でカフェインの量がどう変わるかは、このファクトシートには書かれていません。この記事では、確かめていないことは書きません。
デカフェやカフェインレスは、日本の表示の決まりでカフェインを 90 パーセント以上除去したコーヒーに付けられる名前で、ゼロではありません(「デカフェとカフェインレスの違い」)。
ミルクを足した飲み物(カフェオレなど)は、飲み物別の数字が資料にありません。入れるコーヒーの量で変わるので、「家でカフェオレを作る」や「カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違い」のレシピで、コーヒーの量を確かめます。
夜に飲んでよいか、1 日何杯か
公的機関の言い方
どちらも書き手が決められる話ではありません。公的機関の言い方を、そのまま引きます。
- 食品安全委員会(ファクトシート): カフェインには、適量なら頭が冴えて眠気を覚ます効果がある。過剰に摂ると、めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠症・下痢・吐き気などが起こることもある。感受性は個人差が大きく、日本では 1 日の摂取許容量(ADI)は設定されていない
- 消費者庁(最終更新 令和 6 年 5 月 23 日): 子供、妊婦、授乳中の方、その他カフェインに敏感な方は摂取を控える。コーヒー・紅茶・緑茶などを日常的な範囲で飲むなら、過剰摂取につながる可能性は低い
- 夜については、ファクトシートが紹介するオーストリアの機関(AGES)の発表に、就寝直前の 1 回 100 mg(体重 70 kg の成人で約 1.4 mg/kg)のカフェインで、一部の成人は睡眠障害を起こす可能性がある、とあります。ドイツの機関(BfR)は、一部の人はコーヒー 1 杯でも睡眠障害を起こすことがある、としています
日本には 1 日の許容量が設けられておらず、2 つの資料は海外の機関の目安を紹介しています。ファクトシートによると、欧州食品安全機関(EFSA)は、習慣的な摂取について、妊婦を除く健康な成人は 1 日 400 mg 以下、妊婦は 1 日 200 mg 以下なら健康リスクは生じないとしています。
消費者庁のページには、カナダ保健省の 1 日の上限の目安として、健康な成人 400 mg、妊婦・授乳中・妊娠を予定している女性 300 mg が載っています。妊婦の数字は機関によって違います。どちらも日本の機関の目安ではありません。
これらは参考の数字で、自分に合う量の保証ではありません。妊娠中・授乳中・持病・薬を飲んでいる場合は、医師に相談してください。
確認のしかた
数字を見るときの確認
- 飲み物の数字を見るときは、「何 ml あたりか」と「何 g の粉・茶葉を何 ml のお湯で淹れた値か」を確かめる
- 家のカップの量を量っておくと(水を入れて計量カップに移すだけ)、1 杯の目安が出せる(編集部の提案)
- 市販の缶・ペットボトル・エナジードリンクは、成分表示や製品ページのカフェイン量を見る
まとめ
- 公的資料の数字は 100 ml あたり。コーヒー 60 mg、紅茶 30 mg、せん茶 20 mg(条件がそれぞれ違う)
- 1 杯の目安は、カップの ml ÷ 100 × 100 ml あたりの数字
- 夜や 1 日の量、妊娠中などは、公的機関の資料で確かめ、必要なら医師に相談する
次に読む
- カフェインを控えたい →「デカフェとカフェインレスの違い」
- 豆の種類で変わるのか知りたい →「アラビカ種とロブスタ種の違い」
出典・確認した資料
- 食品安全委員会「食品中のカフェイン」ファクトシート(飲み物ごとのカフェイン濃度と浸出条件・EFSA・AGES・BfR の紹介・日本に ADI なし。作成 平成 23 年 3 月 31 日、最終更新 平成 30 年 2 月 23 日)https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf (2026-11-04 確認。PDF を画像にして読んだ)
- 消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」(最終更新 令和 6 年 5 月 23 日。控える対象・エナジードリンクの量・カナダ保健省の目安)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/other/contents_002/ (2026-11-04 確認)
- 全日本コーヒー協会「アラビカ種が主流だった生産国ブラジルが、カネフォラ種に熱い視線を注ぐ理由」(ほぼ 2 倍のカフェイン。2025-08-05 公開)https://coffee.ajca.or.jp/column/6786/ (2026-11-03 に M-11 で確認。今回は再取得していない)
