結論スペシャルティコーヒーは、豆の種類の名前ではありません。日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)は、カップの中の風味が優れていて、飲む人がおいしいと評価して満足するコーヒーと定義しています。袋に書いてある言葉だけでは、その基準を満たすかどうかは分かりません。
定義はカップの風味
SCAJ の定義は、飲む人がカップの中の液体をおいしいと評価し、満足するコーヒーであることです。風味の特徴が際立っていて、明るく爽やかな酸味があり、甘さを感じながら余韻が消えていくことが挙げられています。
そのために、豆から一杯のカップまでの全部の段階で、一貫した体制と品質管理が要るとされています。英語では「From seed to cup」と書かれています。
| 段階 | 求められること |
|---|---|
| 生産国 | 栽培・収穫・選別まで適正で、欠点のある豆がごく少ない |
| 輸送から焙煎 | 劣化させずに焙煎し、欠点のある豆がない |
| 抽出 | 産地の特徴的な風味がカップに出る |
SCAJ はサステナビリティ(持続可能性)とトレーサビリティ(どこで作られたかをたどれること)も重要な考え方としています。
7 つの評価項目
SCAJ はカップの風味を 7 つの項目で見て、一般のコーヒーと区別するとしています。
| 項目 | 見る点 |
|---|---|
| きれいさ | 汚れや欠点がなく、産地らしさが出ている |
| 甘さ | 甘さの感覚があるか |
| 酸味の質 | 強さではなく、明るさや爽やかさ |
| 口当たり | とろみ・なめらかさなどの触感 |
| 風味の特徴 | 産地の特徴が正しく出ているか |
| 後味 | 甘さで消えていくか、嫌な感じが残るか |
| バランス | 突出や欠けがなく、調和しているか |
7 つのうち、一般のコーヒーとの区別にいちばん大事なのは風味の特徴だと、SCAJ は書いています。
点数の話
「80 点以上」という言い方を見かけることがあります。この記事では SCAJ と SCA の公式ページで 80 点という線を確かめられなかったので、点数の線は書きません。
SCA(Specialty Coffee Association)は、2004 年のカッピングの規格に代わる新しい規格(CVA。SCA-102・103・104)を採用したと発表しています。単一の点数で表す方式から、風味の特徴と好ましさを合わせて見る方式に変わっています。

袋で分かること
袋の表示から読み取れるのは、産地・焙煎度・焙煎日のような、書いてある事実です。「スペシャルティ」という言葉が書いてあっても、どの基準でそう呼んでいるかは、袋だけでは分かりません(編集部の見方)。
袋のどこを見るかは「コーヒー豆の買い方」にまとめました。トレーサビリティの考え方に沿えば、産地や農園、精製方法まで書いてある袋は、情報が多い袋です(編集部の見方)。
家で飲むとき
SCAJ の定義は抽出の段階でも、産地の特徴的な風味がカップに出ることを求めています。同じ豆でも、淹れ方で出る風味は変わります。
- 量・お湯の温度・挽き目を決めて淹れる →「ハンドドリップの淹れ方」
- 酸っぱく感じるとき →「酸っぱい・苦い・薄いときの直し方」
- 酸味が少ない豆を探すとき →「酸味が少ないコーヒー豆の選び方」
まとめ
- スペシャルティコーヒーは豆の種類の名前ではなく、風味の評価と品質管理についての言葉
- SCAJ の定義はカップの風味、生産から抽出までの一貫した管理、トレーサビリティ
- 袋の言葉だけでは基準を満たすかは分からない。産地・焙煎日などの書いてある事実を見る
次に読む
- 豆の選び方の全体を見る →「自分に合うコーヒー豆の選び方」
- 袋の表示の読み方 →「コーヒー豆の買い方」
- デカフェの言葉の意味 →「デカフェとカフェインレスの違い」
出典・確認した資料
- 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)「スペシャルティコーヒーの定義」(定義・各段階の要件・7 つの評価項目・サステナビリティとトレーサビリティ)https://scaj.org/about/specialty-coffee (2026-11-03 確認)
- Specialty Coffee Association「The SCA Officially Adopts CVA Descriptive and Affective Assessments as New Cupping Standards」(2004 年の規格に代わる新しい規格 SCA-102・103・104)https://sca.coffee/sca-news/sca-new-cva-cupping-standards-7ga28 (2026-11-03 確認)
