蒸らしは、最初に少しだけお湯を注いで、粉全体をなじませる工程です。UCC の目安は 1 杯で約 20 ml・約 20 秒、HARIO の説明書は約 30 秒です。粉がほとんど膨らまないときは、豆や粉が古くなっていることがあります。
ハンドドリップの全体の手順は「ハンドドリップの淹れ方」にあります。この記事ではその最初の工程だけを詳しく書きます。
蒸らしは、お湯の通り道を作るため
UCC の説明では、粉の中には炭酸ガスが残っていて、新鮮な粉ほど多く残っています。ガスが残ったままだと、お湯と粉が触れにくくなり、コーヒーの成分を十分に引き出せません。最初に少量のお湯をかけてガスを追い出し、粉全体にお湯の通り道を作るのが蒸らしの役目です(UCC)。
蒸らしを飛ばすと、成分が十分に出ず、軽い味わいになることがあるとも説明されています(UCC)。
蒸らしで、粉の中で起きていること
UCC の説明から作った図。大きさや形は実際のものではなく、イメージです。
1 杯分の目安
| 項目 | 目安 | 資料 |
|---|---|---|
| お湯の量 | 約 20 ml(1 杯分) | UCC |
| 時間 | 約 20 秒 | UCC |
| 時間 | 約 30 秒(粉全体が湿るくらいのお湯で) | HARIO の説明書 |
UCC と HARIO で秒数が少し違います。最初は 20〜30 秒のどこかに決めて、毎回同じにすると、味の違いを比べやすくなります(編集部の提案)。粉の量と湯温の目安は「ハンドドリップの淹れ方」にあります。
やり方
- ドリッパーに粉を入れたら、軽くゆすって表面を平らにする
- 粉の中心から、粉全体が湿るくらいのお湯を静かに注ぐ(1 杯なら約 20 ml)
- 注いだら、そのまま 20〜30 秒待つ
- 待ち終わったら、2 回目のお湯を注ぐ
お湯は外側のペーパーに直接かけないようにします。外側からかけると、お湯と粉が触れる時間が短くなり、薄く水っぽい味になると UCC は説明しています。
書き手の家で蒸らしているところ


書き手はカリタの陶器のドリッパーとはかり、キッチンタイマーで淹れています。蒸らしの秒数と湯量は、書き手の記録がそろったらこの記事に足します。
うまくいかないとき
| 様子 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 薄い・水っぽい | 外側のペーパーにお湯をかけた | 粉の中心から注ぐ(UCC) |
| 軽くて物足りない | 蒸らしのお湯が多すぎた | 1 杯なら約 20 ml にする(UCC) |
| 苦味や渋味が強い | 蒸らしの時間が長すぎた | 20 秒程度に縮める(UCC) |
| 粉がほとんど膨らまない | 豆や粉が古くなっている | 開けてからの日数を確かめる(「豆の賞味期限」) |
UCC は、淹れるときに粉が膨らまないことを、豆や粉が古くなったサインの 1 つに挙げています。新鮮な粉ほど炭酸ガスが多いので(UCC)、開けてから時間がたつと膨らみにくくなります。しまい方は「コーヒー豆の保存方法」へ。
味が気になるときは、蒸らしだけでなく、粉の量や湯温も 1 つずつ見直してください(「酸っぱい・苦い・薄いときの直し方」)。
よくある質問
蒸らしは毎回しないといけない? UCC はペーパードリップでは蒸らしの工程を必ず行うよう勧めています。
ドリップバッグでも蒸らす? この記事はドリッパーで淹れるときの蒸らしです。ドリップバッグの淹れ方は「ドリップバッグのおいしい淹れ方」にあります。
次に読む
- 蒸らしのあとの注ぎ方まで通して →「ハンドドリップの淹れ方」
- 粉が膨らまなかった →「コーヒー豆の賞味期限」
出典・確認した資料
- UCC「蒸らしのコツ」(炭酸ガスと蒸らしの役割・1 杯の湯量約 20 ml・時間約 20 秒・外側から注ぐ/注ぎすぎ/長すぎの失敗)https://www.ucc.co.jp/enjoy/brew/howto-drip_08.html (2026-11-03 確認)
- UCC「ペーパードリップのおいしい淹れ方」(20 秒ほど蒸らす・蒸らしを行わないと軽い味わい・必ず行う)https://mystyle.ucc.co.jp/magazine/a_2952/ (2026-11-03 確認)
- HARIO「V60 透過ドリッパー 取扱説明書(VDN)」(蒸らし約 30 秒)https://global.hario.com/product/VDN.pdf (2026-11-03 確認)
- UCC「コーヒー豆・粉の賞味期限|適切な保存期間や保存方法とは?」(劣化のサイン)https://mystyle.ucc.co.jp/magazine/a_3002/ (2026-11-03 確認)
