ドリップコーヒーは、粉にお湯を注ぎ、お湯が粉を通って落ちる間に成分を取り出す淹れ方です。ハンドドリップ・ドリップバッグ・コーヒーメーカーは、どれもこのドリップです。違いは、お湯を注ぐのが人か機械か、粉とフィルターがどう用意されているかです。
この記事は「ドリップ」という言葉の意味と、3 つの淹れ方の違いを整理します。手順は「ハンドドリップの淹れ方」「ドリップバッグのおいしい淹れ方」「コーヒーメーカーでおいしく淹れるコツ」にあります。どれで始めるか迷う人は「コーヒーメーカーかハンドドリップか」へ。ほかの言葉は「コーヒー用語集」にも載せています。
ドリップとは、お湯を粉に通す淹れ方
UCC はドリップコーヒーを「コーヒーにお湯を注ぎ、お湯の重みだけで成分を抜き出す方法」で淹れたコーヒーと説明しています。例に挙がっているのは、ハンドドリップと、フィルターを使うコーヒーマシンです。「ドリップ」は「滴る」という意味で、粉を通ったコーヒーが滴り落ちることから来た言葉です。
UCC は淹れ方をお湯と粉の触れ方で 2 つに分けています。お湯が粉を通り抜けるのが「透過法」、粉をお湯に浸すのが「浸漬法」です。ドリップは透過法です。透過法は短い時間で抽出が終わり、すっきりした味になりやすいとされています。浸漬法はコクが出やすい一方で、雑味も出やすいとされています。
お湯と粉の触れ方の違い
UCC の「透過法」「浸漬法」の分類から作った図。ハンドドリップ・ドリップバッグ・コーヒーメーカーは、どれも左のドリップです。
図の右はフレンチプレスです(「フレンチプレスの淹れ方」)。UCC の分類ではサイフォンも浸漬法です。
3 つの違い
3 つとも、粉にお湯を通します。違うのは、誰がお湯を注ぐか、粉とフィルターをどう用意するかです。
| 方法 | お湯を注ぐのは | 用意する物 |
|---|---|---|
| ハンドドリップ | 自分(細口のケトルで注ぐ) | ドリッパー・ペーパーフィルター・サーバーかカップ・粉(ミルがあれば豆から) |
| ドリップバッグ | 自分(カップの上で注ぐ) | ドリップバッグ・カップ・お湯 |
| コーヒーメーカー | 機械(水と粉をセットする) | 本体・フィルター・粉・水 |
ハンドドリップは、注ぐ量や速さを自分で決められる反面、ドリッパーなどの道具は自分でそろえることになります。AGF はペーパーフィルターが使い捨てで清潔で、1 人分でも淹れやすいと説明しています。
ドリップバッグは、1 杯分の粉が紙のフィルターに入っていて、カップにかけてお湯を注ぎます。道具がほとんど要らないので、初めて試す人でも始めやすい淹れ方です。
AGF によると、コーヒーメーカーは水とコーヒーをセットすれば手軽に淹れられます。保温を長く続けると風味が落ちるため、避けるようにとも書かれています。
書き手が淹れた 2 つ
書き手はハンドドリップとドリップバッグを家で淹れています。コーヒーメーカーは使っていないので、写真も記録もありません(公式の説明は「コーヒーメーカーでおいしく淹れるコツ」に書きました)。


| 項目 | ハンドドリップ | ドリップバッグ |
|---|---|---|
| 器具 | カリタの陶器のドリッパー(102)・ガラスのサーバー | ガラスのカップ |
| お湯の合計 | 300 g(5 回に分けて注いだ) | 約 150 g |
| 時間 | 落ち切りまで 3 分 5 秒 | 記録なし |
| お湯の温度 | 記録なし | 沸騰後に 1 分置いた(温度は測っていない) |
| 記録 | 「4:6 メソッドの淹れ方」 | 「ドリップバッグのおいしい淹れ方」 |
どちらも 2026-11-03 に淹れた記録です。豆も銘柄も違うので、味は比べていません。分かるのは、ドリッパーとサーバーを使うハンドドリップと、カップだけで足りるドリップバッグとで、使う道具の数が違うことです。
ドリップではないもの
「ドリップ」と似た場面で出てくる言葉を、線引きしておきます。
- フレンチプレス: 粉をお湯に浸すので、浸漬法です。
- エスプレッソ: 圧力をかけて短時間で抽出し、油分を含む濃い液体になります。UCC は分類上は透過法としていますが、味わいが違うので、カフェではドリップと区別して書かれることがあるとしています。
- 水出しコーヒー: お湯ではなく水で、時間をかけて抽出します(AGF)。
- インスタントコーヒー: 抽出したコーヒーを乾かして作った別の物です(「インスタントとレギュラーの違い」)。
商品名に出てくる「ドリップ」にも注意が要ります。AGF は、1 杯分を手軽に淹れられる商品の分類名にも「ドリップコーヒー」を使っています。商品名は「ドリップパック」「プレミアムドリップ」などです。パッケージの「ドリップ」は淹れ方の説明ではなく、そうした商品の呼び方として使われていることがあります。
まとめ
- ドリップは、お湯が粉を通って落ちる間に成分を取り出す淹れ方で、UCC の分類では透過法
- ハンドドリップ・ドリップバッグ・コーヒーメーカーの違いは、お湯を注ぐのが人か機械か、粉とフィルターの用意のされ方
次に読む
- 手順を知りたい →「ハンドドリップの淹れ方」
- 手軽に始めたい →「ドリップバッグのおいしい淹れ方」
- カフェオレ・カフェラテの違い →「カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違い」
出典・確認した資料
- UCC「ドリップコーヒーとは?意味や淹れ方から知る奥深いコーヒーの世界」(ドリップの定義・透過法と浸漬法・エスプレッソとの区別。2019-07-03 公開)https://mystyle.ucc.co.jp/magazine/a_475/ (2026-11-03 確認)
- AGF「コーヒー器具の種類と淹れ方」(ペーパードリップ・コーヒーメーカー・水出し・エスプレッソの説明)https://agf.ajinomoto.co.jp/enjoy/cyclopedia/enjoy_method/ (2026-11-03 確認)
- AGF「ドリップコーヒー」商品カテゴリ(商品名の使われ方)https://agf.ajinomoto.co.jp/product/categories/drip/ (2026-11-03 確認)
